5.152023
イベントレポート「ゆめ・まち×スタジモ こども学びウィーク2023」 10.砂浜にかくれる小さな小さな貝がらを見つけよう!
小学生を対象とした春休み限定の体験学習プログラム、「ゆめ・まち×スタジモ こども学びウィーク」が3月26日 (日)から一週間にわたりオンラインと対面で開催!
各日2プログラム、計14プログラムを展開し、普段、学校で勉強している教科を、街のために活動する人たちが先生となって教えてくれるというイベント!関西だけでなく全国様々な地域から多くの方にご応募いただきました。
さて、3月31日(金)14:00~15:30に、「ゆめ・まち×スタジモこども学びウィーク 10. 砂浜にかくれる小さな小さな貝がらを見つけよう!」を開催いたしました。
【海辺を観察する】
砂浜の砂をよく見ると小さな貝が混ざっています。今日の講座では、二つの砂浜の砂の中から微小貝を探して観察します。講師の先生は、公益社団法人 大阪自然環境保全協会 砂浜観察会の田中さんです。
「皆さん、ペーターと呼んでください」との自己紹介から講座が始まりました。
海から遠くに住んでいるけれど、年に80回位海に行って40回位海辺の自然観察会をしているというペーター。砂浜観察会やセミの幼虫のふ化の観察会などたくさんのイベントを開催しているそうです。
今日は須磨海岸と敦賀市の横浜海岸の砂浜を観察します。
事前に二つの海岸の砂を皆さんに送っています。どんな貝があるでしょうか。
まずは、須磨の砂を黒い紙の上にだして、貝がらと石を分けてみます。
いいものを見つけたら教えてね、とのペーターからの問いかけに、みんなから次々と「こんなの見つけました!」と報告があがります。
「ゴカイの巣かな?トンネルみたいのだったらゴカイの巣だと思います。」
「巻貝かな。完璧な巻貝ですね。ヒメキリカイダマシかな」
一つ一つペーターが答えてくれました。形は同じようでも、色が少し違っていたり、何かのかけらだけど、実は巻貝の仲間だったり。たくさんの種類の貝が混ざった砂から、ピンセットで一つ一つ摘んで並べます。
穴のあいた貝がいっぱいありますがなぜですか?との質問に、ペーターからクイズが出ました。3択です。
➀自然にあいた ②肉食貝が食べるためにあけた。 ③ペーターがあけた
答えは②。みんなとっても驚いていました。③はペーターが大変ですよね!
次は、敦賀の横浜海岸の砂を観察します。同じように黒い紙の上に出して、ピンセットで摘んで分けます。
みんなから次々と「こんなの見つけました!」と報告があります。
透明できらきらしたものは、ナミマガシワ。
それは、ベッコウガサ。なんと巻き貝の仲間です。亀の模様に似ているからべっこうです。
先が銀なのは、ムラサキ貝。イガイのなかまです。
チリボタンは、ぼたんの花が点々とある感じで海に浮いて見える赤い貝です。
バカガイは敦賀の横浜海岸に一番多くいて、おいしいです。
それは黒い石。川から流れてきています。川の上流に黒い地層があります。
バカガイに似ているけど、マツヤマワスレ。バカガイの次に多く、ペーターが好きな貝です。
フジツボは貝の仲間??実はカニやエビの仲間です。
次々と手を上げて質問してくれる皆さんに、ペーターがしっかり答えてくれました!
より分けた貝はラベルをつけて保存しましょう。
貝の形がみんな違うのは暮らしが違うから。
バカガイとマツヤマワスレは、形は似ているけれど、生きてる場所が違い、それぞれの貝にそれぞれの役目があると話されます。
須磨海岸は街の海岸で奥まったところにあります。須磨にはいろんなところから来た砂があります。九州から来た砂に混ざって来た貝もあるそう。
敦賀の横浜海岸は日本海に面していて、遠い海から来たヤシの実なども打ちあがる。
うち上がっている貝は海岸によって違っていて、それぞれの砂浜が「オンリーワン」とのことでした。
【違いや役目がある】
貝を見つけるだけでなく、混ざっている石などもより分けることで、分かることがたくさんあるそう。質問がたくさん出ました。
「貝はどう生まれる?」「あさり、バカガイなど二枚貝は卵で生まれる。放たれて1ミリ位になったら浜にあがる。」
「川にも貝はある?」「います。湖にも。川は淡水(塩辛くない)から種類が違う。砂浜でも川から流れて来た川の貝もいるかもしれない。」
「公園に貝が時々ある。なぜ?」「公園にもってきた砂が九州の砂浜のものだったりするので、貝がまざっている。」
「貝の寿命は?」「貝によっていろいろ。1年のような短い貝もいる 100年の貝も。 あさりとかバカガイは5年くらい。」
「貝にあなを開けたのが貝なら、貝は貝を食べるってこと?」「貝の中にも肉食と草食がある。肉食は貝やヒトデを食べたりする。ツメタガイがバカガイを食べたり、草食は海藻を食べたりする。」
貝にもいろんな役割がある、と再度話されます。
「あんなにいっぱい種類があるんだなと思った。」
「いろんな貝があって観察できて楽しかった。」
「同じ日本なのに全く違った種類の貝があって驚いた。」
とみんなから感想をもらいました。
ペーターは「みんなが貝を見せてくれてうれしかった。貝がら拾いはみんなで見せ合うのが楽しい。ぜひおうちの人にも見せてね」とのことでした。
同じ日本でも、それぞれの砂浜がオンリーワン。貝がらそれぞれに役目や違いがある。貝がらを見つける楽しさと、観察して知ることの楽しさを感じた講座でした。皆さん、ご参加いただきありがとうございました。