6.132022
イベントレポート 「阪急阪神 ゆめ・まちソーシャルラボvol.72 ゆめ・まち講座 あなたの“ミカタ”!~刑事事件から物事の見方を考えよう~」
みなさんはニュースで報道される事件をみて、普段どのように感じていますか?
今回は、弁護士として活躍する先生と一緒に、弁護士の仕事や裁判の流れ、捜査について学び、裁判員になったつもりで実際に起きた事件を考え、「何が正しくて、何が真実か?」そんな疑問を、身近なことからイメージしながら、様々な“見方”を理解することに挑戦!
「ゆめ・まち講座 あなたの“ミカタ”!~刑事事件から物事の見方を考えよう~」を、5月28日(土)(1部10:30~12:00/2部14:00~15:30)にオンラインで開催しました。
講師は、六甲法律事務所パートナー弁護士・兵庫県弁護士会所属の松田昌明さんです。
ミステリーや推理小説に興味がある方や色々な物事の見方について考えてみたい中学生や小学4、5、6年生とその保護者の方がご参加くださいました。
≪正義って何?≫
まず正義について、松田先生から質問です。
正義とはいったい何? 参加者のみなさんに意見を聞いてみました。
「正しいことをつらぬくこと」
「味方・守ってくれる人」
さまざまな意見が挙がりました。
先生は、身近な例を挙げられ、「正義とは、立場や見方によって変わる」ものであると教えてくれました。時には、自分が正義だと思っていることが他の人から見ると違うこともあるかもしれない、正義は難しい面があるというお話がとても印象的でした。
≪真実って何?≫
では、次に真実ってどうしたらわかるの?まずはみんなの意見から・・・
「なんらかの情報を手に入れる」
「かんさつして考える」
「信じてもらう人になる」など。
真実について知ることや、証明することはとても難しく、「証拠」などがとても大切。
先生は、ある作品の言葉を借りて「真実は人の数だけある」ともお話されました。
ネットやテレビで報道が流れてしまうと、それが真実として扱われてしまうことが多く、実際は真実とは違っていても、その報道はせず訂正されない事が多いとのことでした。
≪弁護士の仕事は?≫
①社会で起きるすべてのことに法律が関わるということ
②もめごとや裁判における代理人を担うこと
③依頼者の味方!であること
これらが弁護士の役割だと、先生から学びます。
では、「弁護士の仕事」とは一体どのようなものなのでしょうか。
弁護士は、依頼された依頼人側の真実を信じて裁判を進めていきます。
絶対的な正義はないので、人それぞれの正義が存在します。
そして、真実は誰にも分からないため、自分なりの正義を磨くということが、とても重要であるとのお話をしていただきました。
≪どうして犯罪者の弁護をするの?≫
犯罪者の弁護をするのはなぜか、参加者のみなさんが気になっていたことに、さらに一歩踏み込んでみます。
先生は、その人は「本当にわるい人」なのか?
・・・依頼人の立場に立ち、悪いことをしてしまったときの環境や状況を考えられるそうです。
どこで、なにを、間違えてしまったのか、育った環境はどうであったのか。
依頼人が犯罪者だったとしても、周りのみんなが敵になっても、弁護士が唯一の味方という存在になる。
味方になることで、その人が更正してくれることができたらとても嬉しいことだ、と先生は続けます。
そして、「弁護士はただただ、依頼者の為に全力を尽くすことが使命である」ということをお話されていました。
≪最後に質問タイム!≫
みなさんからいただいた質問に、先生が答えてくださいました!
Q.弁護士になるには?
A.まず勉強する時間や、なりたい気持ちが必要。
六法・法律を実際に使えるようになることが弁護士への第一歩。
Q.1日にどのくらいの裁判がある?
A.地方は裁判が少なく、大阪や東京のような大きな裁判所は、たくさん裁判をやっている。
誰でも裁判傍聴はできるので、最寄りの少し大きめの裁判所に行ったらその様子を見られる。
Q.ドラマの裁判所シーンで正しくないところはある?
A.裁判の最中に真犯人が分かったりすることがあるけれど、実際はそんなことはあまりない。
ドラマでは口で話していること多いが、裁判は基本全て書類で行っている。
Q.難しい事件の時は?
A.法律以外の事が関わってくることが多いため、他の分野の勉強が必要なことが大変。
例えば、医療のことや建築のことを別に勉強しなければならない。
Q.コロナの影響は?
A.民事裁判はオンラインで進めることが多くなった。
例えば、5分くらいで終わる民事裁判のために1時間かけて移動することがあったが、オンラインではそのようなことが少なくなった。
最後に参加してくれたみなさんからの感想とともに、記念撮影!
今日は、具体的な事件からものの見方について考え、裁判や法律、そして弁護士の仕事のことなど、たくさんのことを学んでいただきました。
ご参加いただいたみなさん、そして松田先生、ありがとうございました!