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イベントレポート「ゆめ・まち 大人の社会科見学in西宮」 04西宮発!スペシャルティコーヒーの新しい挑戦

「ゆめ・まち 大人の社会科見学」は、ワークショップやレクチャーを通して西宮を「再発見」「新発見」していただき、身近な社会課題を知って、明日からのアクションへとつなげていく全4回のプログラムです。

2021年度は西宮を取り上げ、阪神間を中心に・全国から18歳以上の西宮に興味のある方々にご参加いただき、地域団体・企業と協働してオンラインで開催しています。

第4回目は、2月18日(金)19:00~21:00に「西宮発!スペシャルティコーヒーの新しい挑戦」が開催されました。

≪スペシャルティコーヒーって?≫

まずは、西宮や神戸でスペシャルティコーヒーの専門店を4店舗展開されているTAOCA COFFEEの田岡 英之さんのお話をお聞きしました。

 

まずはスペシャルティコーヒーと呼ばれるものはどんなものなのか、説明していただきました。

1「基準値以上の品質」

2「作られた場所や人、方法が明確であること(追跡可能性)」

3「生産者が継続可能な価格で豆を買い付けていること(持続可能性)」

この3つを満たしているものがスペシャルティコーヒーと呼ばれます。

丁寧に育てられて収穫された豆をそれに見合った価格で買い付けることで、農園の設備投資や改良などができ、来期もまた上質な豆が収穫できることへと繋がっていきます。

≪手間が仕事になる!スペシャルティコーヒーと就労支援との関係は?≫

つづいては、「コーヒーを美味しく焙煎すること」を通じて、ハンディキャップのある方の就労支援事業をされているACCEPT COFFEE ROASTER(S)の林尚志さんにお話をしていただきました。

林さんは、障がいのある子どものための学童保育(放課後デイサービス)を3カ所運営されています。放課後デイサービスが利用できるのは小学1年生から高校3年生まで。高校を卒業してから何か次のステップを…と、就労継続支援B型事業所としてACCEPT COFFEE ROASTER(S)を立ち上げられました。

障がいがある方の特性に応じながら丁寧にコーヒー豆の選別をすることによって、スペシャルティコーヒーがさらに美味しくなる・・・そんな、スペシャルティコーヒーの焙煎と就労支援の組み合わせが相乗効果を生み、障がいのある方がおしゃれな職場で誇りを持って仕事に取り組める事業所となりました。

今後の夢は、さらに就労支援の幅を広げ、放課後デイサービスに通う子どもたち全員をサポートできる体制をつくっていくこと。

参加者の皆さんは深くうなずきながら、真剣にお話に聞き入られている様子が印象的でした。

≪欠点豆の選別とカッピングで味比べ≫

続いて、参加者の皆さんに事前にお送りしていたコーヒー豆を使った、ワークショップ。

ACCEPT COFFEE ROASTER(S)で実際に行なわれている欠点豆(今回は虫食い豆)の選別に挑戦!

皆さん、真剣な眼差しで虫食い豆特有の小さな穴を見つけていただきました。

この欠点豆を取り除くことで、コーヒーはどのように味が変化するのでしょうか。

ここで、田岡さんによるカッピング体験です。

まずは、良質豆と欠点豆の袋を開け香りを比べてみました。たしかに少し香りが違うという声が聞かれました。

それぞれ、カップに入れてお湯を注ぎ、コーヒーの良い香りに癒されながら、4分待ちます。その間、田岡さんからドリップバッグの美味しい入れ方のレクチャーをしていただきました。

4分後、いよいよ試飲。

カレースプーンくらいの大きさのスプーンですすって味を感じます。コーヒーの味がよくわかるのは40度くらいだそう。高温のときには香りを感じていただきやすいそうです。

良質豆と欠点豆の味や香りの違いを身近に感じて、スペシャルティコーヒーにさらに興味をお持ちいただけたのではないでしょうか。

5分間の休憩の間に、参加者の皆さんには事前に送付させていただいたスペシャルティコーヒーのドリップバッグでコーヒーをいれていただきました。

参加者の皆さんとスペシャルティコーヒーで乾杯した後、リラックスした雰囲気でクロストークが始まりました。

クロストークでは、田岡さんと林さんが高校時代のご友人だったこと、卒業後にFacebookを通じて再会し、それぞれのお仕事である「コーヒー」と「福祉」が掛け合わせられる瞬間のエピソードなどをお聞きすることができました。

また、田岡さんは苦楽園、林さんは甲子園にお店を構えられたいきさつや、地域の皆さんにあたたかく育まれてきたことをお聞きしました。

田岡さんは「薄利多売からの脱却がベースにあるスペシャルティコーヒーを広めることで、生産国、消費国ともに収入の低いコーヒーに関わる仕事を一生の仕事にできるような安定した収入が得られる仕事にしていきたい。」

林さんは「福祉の給与水準は低いけれど、利用者さんや子ども達を物心両面で豊かにしていきたいという想いから事業所のメンバーも含めてみんなをサポートしていきたい。」「放課後デイサービスを卒業した子どもたちを全てサポートできる、子どもたちが就労の仕方を選択できるいろんな体制をつくっていきたい」

お二人は、現実を見据えながら、本当に叶ったらどんなに素敵な社会になるだろうとワクワクするような未来を描いていらっしゃって、私たちの胸に響くものがありました。

質疑応答では「現地への買い付けでは味の他に決め手はあるのですか」「コーヒー×福祉は全国的に他に事例があるのでしょうか」など、多くの質問が寄せられ、スペシャルティコーヒーや就労支援に対する関心の高さがうかがえました。

最後に、参加者の皆さんからも、今回のワークショップで感じた「明日からやってみよう!と思うアクション」や感想を書いていただき、記念撮影しました。

参加者の皆さんからは

「スペシャルティコーヒーを飲んでみる!」

「お店に行きます!」

「手間を仕事に、グッときました」

「安さばかり追求せず、適切な対価の商品を購入しようと思いました」

など、講師のお二人の想いに共感いただいた様子でした。

ぜひ、今回のプログラムで感じたことを日々の暮らしの中に取り入れていただき、周りの方にも広めていっていただけたらと思います。

このプログラムをもちまして、ゆめ・まち 大人の社会科見学in西宮、全4回が終了しました。色々な視点から西宮を新発見、再発見していただけたのではないかなと思います。

ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました!

また、お会いできることを楽しみにしています。

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