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イベントレポート「ゆめ・まち大人の社会科見学in西宮」 01いまこそ甲山!大人のアウトドア入門

「ゆめ・まち大人の社会科見学」は、ワークショップやレクチャーを通して西宮を「再発見」「新発見」していただき、身近な社会課題を知って、明日からのアクションへとつなげていく全4回のプログラムです。

2021年度は西宮を取り上げ、阪神間を中心に・全国から18歳以上の西宮に興味のある方々にご参加いただき、地域団体・企業と協働してオンラインで開催しています。

 

第1回目は11月19日(金)19:00~21:00に「いまこそ甲山!大人のアウトドア入門」を開催しました。

 

まずはNPO法人 こども環境活動支援協会(LEAF)の柴田さんから甲山の自然や歴史について、お話いただきました。

≪甲山の自然のサイクルとかまど≫

甲山には豊かな自然と虫や鳥類などの多くの生き物たちが相互に関係しながら生息しています。例えば、6年程前に起きた「ナラ枯れ」を例にすると、樹齢40~50年の大きなコナラ等の木にカシノナガキクイムシという虫がつき枯れてしまいます。ナラ枯れにより枯れた後には、2~3年するとカエンタケというキノコがその周囲に新たに生えます(猛毒なので、見かけても触れないでください)。またその枯れた木を伐採して乾燥しておくと、そこに木をエサとする甲虫が大量に発生します。枯れてしまう植物があれば、それをきっかけにその周囲には新しく生まれる命があります。こうした自然のサイクルが身近な甲山で起きているとは、とても興味深いですよね。

また、甲山では森林整備・保全のため、木を伐採し、その材を薪として利用する森林の循環利用を行っています。ここでもサイクルができていますね。

そんな甲山でのアウトドアは、かまどを使っての火おこし。なぜ、かまどなのか?

その答えは甲山の歴史にありました。1940年代に2度の山火事に見舞われた甲山。80年経った今ではきれいな緑一杯の甲山に戻り、様々な生き物が暮らせる環境になりました。多くの生命を育んでいる甲山を守り、昔のような山火事を繰り返さないためにも、各サイトに設置されているかまどを利用した火おこしは必ず守ってほしいルールなのです。

≪薪を使って火をおこしてみよう!≫

次はデカトロンジャパン西宮店の小倉さん、野村さんによるアウトドアをこれから始める人に向けてのレクチャーと火おこしを体感していただくワークショップをおこないました。

まずはデカトロンさんの理念やアウトドアについての想いをお聞きした後、クイズで火の取り扱いの基本を学びました。

山火事の原因の何パーセントが焚き火によるものでしょうか?

こたえは30%!!

楽しいアウトドアも、しっかりと火や機材の取り扱いを守ってこそだということをみなさんに感じていただいたうえで、いよいよ焚き火をする際の、薪の組み方の極意を知るワークショップが始まりました。

最初に火種から火をおこす「ほくち」という麻ひもを細かくほぐしたものを作ります。これは、点火のもとになる部分なので、丁寧に作ってくださいとのことで、参加者のみなさんも一生懸命麻ひもをほぐしていただいていました。

 

次は「ほくち」の上に薪を組んでいきます。

コツは重ねていく薪の太さの順にあるようです。始めは鉛筆の芯ほどの細い枝から段々と鉛筆、ボールペン等の太さの枝、細めの薪、さらに太い薪へと組む材木の太さを順々に太くして組んでいき、細い枝から太い薪へと火を移していくことが大切。

そして、さらにもう一つのコツは空気の通り道を確保することだそう。

参加者のみなさんも上手に空気の通り道を作りながら、それぞれに薪を組んでいただきました。

仕上げはデカトロンさんからみなさんにプレゼントいただいた、「ファイヤースターター」での点火です。

もちろん、室内では点火していただくことはできないので、ここからは再現VTRで点火の様子を見ていただきました。

オンラインですが、気分はもうアウトドア!

キャンプに行かれる際にはぜひお試しください。

ここで5分間の休憩をはさみ、和やかな雰囲気の中、柴田さん、小倉さん、そして事務局の松村での、クロストークが始まりました。

≪いまこそ甲山!アウトドアの楽しみ方≫

まずは、お二人から見た甲山の魅力やアウトドアの楽しみ方を、お聞きしました。

小倉さんはスノーボードとの複合キャンプを楽しまれていたり、柴田さんは実は昆虫博士ということで、今までで一番感動した虫のことなどそれぞれの楽しみ方をお聞きしました。

また、甲山では1940年代に山火事で森が焼けてしまったということで直火での火おこしは禁止されていますが、一人一人が責任をもって楽しむことの大事さ、これまで築いてきた西宮の環境を守っていくことが大切!ということ、ゴミを捨てない、ルールを守るなど、小さな心がけが、明日からできるアクションだということをお伝えいただきました。

質問タイムでは「甲山散策のおすすめの時期」や「甲山で見られる野生動物は?」など甲山の自然に関するものから、「火の分別とは?」「ファイヤースターターのギザギザ部分の使い方は?」など実践に関するものまでたくさんの質問をいただき、参加者のみなさんの関心の高さが分かりました。

ちなみに、デカトロンさんのファイヤースターターには栓抜きが付いているそう!

この小さな工夫が、私たちのアウトドアでの楽しみに一役買いそうですね。

最後に、皆さんに感想や明日からできそうなワンアクションを書いていただき、記念撮影をしました。

「焚き火をしながらビールしたい!」と感想を書いていただいた方、一生懸命作った「ほくち」を見せてくださった方もいらっしゃって、ファイヤースターターなどを手にしての写真は、笑顔あふれていました。

ぜひこれを機に、森林保全やキャンプについて興味をもっていただき、明日へのアクションへつなげていっていただけたら幸いです。

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