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イベントレポート ゆめ・まちワークショップ Vol.20

こんにちは、スタジモにしのみやです。

今日は、5/27(日)ゆめ・まちワークショップVol.20『「ワールドキッズコミュニティ」による
今、語りたい外国にルーツがあるということ~動画作品「レモン」とその後を考える~』のイベントレポートをお送りします!
当日は多くの方にご参加いただきました。

まず初めに、ワールドキッズコミュニティ 村上事務局長にお話を伺っていきます。
ワールドキッズコミュニティさんは設立の1998年から、「国籍などに関わらず、すべての子どもたちが自分らしく成長していける教育環境づくり」を目標に活動を続けていらっしゃいます。

活動拠点の神戸市長田区は、地域産業(シューズ工場など)を支えた在日外国人の方が多かった事などがあり、外国にルーツを持つ方が、現在全体の10%近くもお住まいなのだそうです。
今では小学校教育の中にも、母語(親しんだ言葉が母国の言葉とは限らないので母国語ではなく母語と呼ぶそう)を学ぶ時間がとられている学校もあるそうです。

団体活動のスタートは、阪神淡路大震災がきっかけ。
震災ボランティア活動の拠点となった、「たかとり救援基地」で起こった「多文化共生地域」ならではの数多くの課題を、次世代に引きずらないように、と様々な活動に取り組まれてきました。

現在主に取り組まれているのは、
・外国につながりのあるこどもたちの居場所づくり
・こどもたちの思いを映像化する表現活動のサポートと社会への提言
・多文化共生(互いに認め合う)の課題の提言・啓発
の3つ。

当日はその中の、こどもたちの思いを映像化するサポート活動(Re:C)の中から生まれた、自身の国籍を題材にしたドキュメンタリー作品「レモン」の作者、松原 ルマ ユリ アキズキさん(以降ルマさん)をお招きし、お話を伺っていきました。

ルマさんは、ブラジル・サンパウロ出身の日系三世で、生後2ヶ月で来日されました。
お姉さん2人は、ブラジルでの生活を覚えていてポルトガル語も話せるが、ルマさんは少し苦手・・・。
日本で生活して、学校や友人たちとは日本語で話すので、当時はポルトガル語の習得に意味を見出せずにいたそうです。
ただ、言葉が家庭と学校とで違うことで起こる問題も多数あり……、いくつかお話いただきました。

お姉さんも映像制作をされていたので、ルマさんも14歳の時に自然と映像制作に取り組んだそう。
今から上映する『レモン』は、「国籍はブラジル。両親は日系ブラジル人。 だから見た目は日本人。育ったのも日本。 外見も中身も日本人の私はまるでレモンみたい。だからしぼっても日本人の汁しか出ない。「でも、私って一体何人だろう???」 思春期を迎えた作者が、周囲の人とのやりとりを通して今の自分の迷いを映し出した作品」です。(Re:C 作品紹介より)

「私は何人?」という戸惑いをレモンを通して表現しています。
ルマさんが、テレビで外国人タレントが自分の事を「肌は白いけど中身は黄色い日本人で「卵」みたい」と言っているのを聞いて、自分は「レモン」みたいと感じた事からだそうです。

制作には中学2年~3年に渡り1年半をかけられました。
では、実際に『レモン』(2004年)を上映していただきました。

上映終了後盛大な拍手が起こりましたよ!
作品最後で、海辺でレモンがゆらゆら漂っているシーンがとても印象的でした~

ルマさんは、映像制作をし、また観て下さった方々と話をして気付いたことがあったのだそう。
実は「何人か?」が問題では無く、どこかで感じていた疎外感を払拭し、自分は1人ぼっちなんかじゃない、私も家族の一員なんだという事を自分自身に刻みたかったんじゃないかと。。。。

また、この映像を通して、自分と同じ思いをしている子どもたちに、自分の経験を伝えて行きたいと強く感じられたそうです。

実はルマさんのお母様も自分たちの経験を、今同じような環境で暮らしている方々に伝えていく活動を長年されて来られ、そのお母様の意思も受け継いでいきたいと考えていらっしゃるそうです。

この作品は国際的なビデオコンテスト「第28回東京ビデオフェスティバル(2006)」で優秀作品賞に選ばれたそうです!!
また、現在は大学院生であるルマさんが『レモン』制作10年後の28歳時の作品『わたしのことば、わたしの道』も続けて鑑賞させていただきました。

ブラジル人とか日本人とか枠にハメられることなく、しっかり「自分」を生きていらっしゃる姿がとてもステキでした☆
ルマさん、村上さん、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

次回のゆめ・まちソーシャルラボは、
♦6月21日(木)15:30~18:00
「vol.22ゆめ・まちプレゼン
身近なグローバル化を考えよう!」(阪急電鉄本社ビル1階エコルテホールにて)

♦6月23日(土)①11:00~12:00 ②13:30~14:30 ③15:00~16:00
「vol.23ゆめ・まちワークショップ
『NPO法人おおさかこども多文化センター』による世界の文字でオリジナルネームストラップを作ろう!」

が開催されます。
詳細・専用申込みフォームはこちら! → https://stajimo.jp/?page_id=8674
みなさんのご参加をお待ちしております!!

◇参考
阪急阪神 ゆめ・まちソーシャルラボとは…
「未来にわたり住みたいまち」をつくりたい!
そんな想いを同じくする市民団体の方々と協働で、阪急阪神ホールディングスのグループ社会貢献活動「阪急阪神 未来のゆめ・まちプロジェクト」が進める、お客さま参加型の新たな共同創造の取組みです。
ここスタジモにしのみやでは、阪急阪神沿線で地域環境づくりや次世代の育成に取り組む市民団体の活動やグループ各社の社会貢献活動を紹介すると共に、セミナーやワークショップなどの協働イベントを定期的に開催。
それらを通して、さまざまな「つながり」を発見し、社会課題の解決に向けた種をまく場となることを目指します。

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